三重県津市は人口比で日本一うなぎ屋が多い都市であり、人口1人あたりのうなぎ消費量も日本一の都市であった。その由来は数々あるが、江戸時代に藤堂藩が藩士の滋養強壮と士気向上のために鰻食を奨励し、各地からうなぎ屋を城下に集めたことにあるようだ。うなぎの食べ方には主に関東流と関西流の2通りがあり、文化圏的に関西圏に属する津市では、ほとんどのお店が関西流。その特徴は、最上級の国産うなぎを腹開きにし、旨みを逃さぬよう蒸さずに炭火で地焼きし、絶妙なタイミングでタレにつけ、白飯にのせる点である。しかし、市内には関東流のうなぎ店も存在し、またその味も店ごとに異なり、その特徴を大別することは難しいようだ。うなぎは津市民の大衆食となっており、最上級の「特上」丼が市内では低価格で食すことができる。