江戸時代から、三重県四日市市の大矢知地区では、冬の副業として麺作りが盛んに行われてきました。地元に流れる朝明川の水はミネラルが豊富で、水車小屋が建てられ、鈴鹿山脈から吹き降ろす寒風「鈴鹿おろし」によって、麺が乾燥させられる絶好の条件が整っていました。昭和30年代には、この地域には300軒以上の製麺農家が存在していましたが、経験と手間のかかる作業が後継者不足を引き起こし、また石油コンビナート建設による働き手の減少も影響し、現在では10軒足らずにまで減少しています。
製麺所は小麦粉の仕入れ先によって3グループに分かれており、その中で6軒が加盟する金魚印グループは、良質の小麦粉を使用し、一切の添加物を加えない自然食品を提供しています。彼らは200年にわたる伝統の味を大切にし、1本1本手づくりで麺を作っています。